お盆の供養幡

 昔はお盆に盆棚を設置しお仏壇の中にあるご先祖様のお位牌をお祀りし供養いたしました。盆棚の四隅には笹竹を立てその前面に盆幡を吊り下げました。
 今では住宅事情や生活スタイルも変わりあまり見られなくなりましたが針岡の松山寺のお檀家さんの家に伺うとたまにお見掛けいたします。

 この盆幡はいつの頃からか分かりませんが近隣の地域では「南無阿弥陀佛」と書いてある幡をお配りしていました。
 お念仏の供養もそうですがこれは浄土系の信仰からきていると思いますが他地域の多くの曹洞宗寺院では「五如来幡」をお配りしています。

 五如来とは仏様のお徳をたたえ安らかに極楽浄土の蓮台の光の世界に上れるようお導き下さる尊い五仏(如来)の名号です。

 お盆のお経には五如来さまをお招きしご先祖の冥福を祈ってそのご恩に感謝し反省の営みを誓う意味のお経を誦みます。五如来さまの御功徳をご家族お揃いで頂くという意味合いからも各家の盆棚に「五如来幡」をかかげます。

 「五如来幡」は仏教で宇宙の素因と考えられる「空風火水地」の五大を色で表現したものです。ご存じの五輪塔は五大を形で表したものです。

 正面むかって右より南無多宝如来・南無妙色身如来・南無甘露王如来・南無広博身如来・南無離怖畏如来となります。